盛夏スーツ②

いつも当ブログをお読みいただきありがとうございます。

Dandyism JAPANオーダースーツコンシェルジュ黒田雄一です。

今回は前回に引き続き、リネンスーツのご紹介です。

細かなデザインディティールを見ていきますので参考にしていただければ幸いです。

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袖口は本切羽の左袖の第二セッパのみ赤にしています。
グレーと赤は相性が良いので挿し色としても使えます。
ボタンの茶色とも合いますね。ボタンホール色変更¥1,000-(税別)
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肩廻りは少しシワが出ているのが分かりますでしょうか。
これは、ナポリスーツによく見られるマニカカミーチャ。の変形。
本当は、袖と身頃の取り付け部分の袖が盛り上がらずに、
縫い目からストンと落ちています。
しかし、写真では通常の仕上げの肩と同じく盛り上がったままなので
リラックスし過ぎない印象になっています。
元々、マニカカミーチャは、
リラックス感が出ることと、肩廻りの稼動域が広くなりますので着心地が軽くなるという仕様です。
肩廻りの筋肉や骨格が大きな方には、タイトだけど肩廻りが楽になるとてもよい仕様です。マニカカミーチャ無料
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そして、マニアックすぎるかもしれませんが、ボタンホールの手縫い!!
これは私にとっては、とても嬉しいポイントです。
フロントのいびつなボタンホールの手縫い感。
職人の縫っていいる姿が思い浮かびます。
私は手作り感に人の温もりを感じますので、
手縫いオプションは大好きです。1穴¥1,500-(税抜)
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胸、腰ポケット共に外から貼り付けたアウトポケットです。
胸のポケットの上端がグッと上に反っていることでイタリア的なセクシーさがグッと出てきます。
これだけで高級感といいますかホンモノ感といいますか、デザインの良い拘りが見て取れます。アウトポケット¥1,500-(税抜)
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パンツは軽いふんわりした素材にファスナー金具ではなく、ボタン留めで雰囲気を活かしました。
リネンのカサカサとした感じがボタンを留めるとき伝わり夏っぽいです。
ちなみに、ヨーロッパではオーダースーツの主流はボタンフライが主流らしいです。
スーツが世の中に出てきたころは、すべてボタンフライだったので自然なことかもしれません。
使い勝手は面倒ですが、拘りオプションとして1度は試していただきたい一つです。
そして1タック。
カジュアルパンツの流行もタックパンツが来ています。
それに関わらずとも、最近のタックは浅めなので野暮ったくなく、腰元に立体感が出て良いです。
ボタンフライ¥2,500-(税抜)タック無料
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そしてこれは、「フラシループ」と呼ばれる、座った時などに後ろのベルトが反ることで起こる、生地と身体との隙間を抑える効果があります。
シャツの飛び出し防止や、大きく隙間ができて、なんとなくみっともない感じを解消してくれます。フラシループ無料
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そしてこれは分かりにくい!
パンツのサイドにステッチが入っているんです。
これも、手縫い感が出ますので軽い雰囲気にぴったりです。サイドシーム¥2,500-(税抜)
写真 2015-07-16 15 27 36
着用するとこうなります。
ディティールを拘っただけなので、
パッと見は悪目立ちすることのないタイトなスーツです。
次回、作るなら、ラペルを後1cm太くして、着丈を1cm短く、思い切って袖口も手縫いのボタンホールにしたいと思います。
オーダースーツの醍醐味は、スーツを自分好みのデザインと形に出来ることだと思います。
是非オーダーされる際にお好みをお伝え下さい。
2着目、3着目をオーダーされる場合もとても有効です。
ここをもう少しゆとりを持たせたい、もっと絞りたい。など現品で調整できますのでより分かりやすく設計出来ます。
お客様に特別な一着が出来上がることは、我々にとってもとても嬉しいことです。
いろんなお好みをお聞かせ下さいませ。楽しみにしております。

盛夏スーツ①

蒸し暑い日々、先日千葉県茂原市のもろこしフェスタに行って山ほど枝豆を買ってきました。(もろこしは売り切れ・・・)

 

いつも当ブログをお読みいただきありがとうございます。

Dandyism JAPANオーダースーツコンシェルジュ黒田雄一です。

今回は盛夏に向けたリネンスーツを新調し、

ディティールデザインに新しい試みをしていますので着用感と共に参考になさっていただければと思い紹介致します。

 

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リネンは吸湿性、放湿性、速乾性が非常に高く、軽い。

そして、人類最古の素材というロマンも兼ねたこの素材で、この夏は涼しいスーツを作ろうと思っていました。。。

しかし・・・

そうなんです、実際は少し暑い!

それには理由があります。

今回のリネン、目が結構詰まっていることで、熱が篭りやすいのです。

そして、素材が単純に涼しいと思い、裏地を「背抜き」にしたことも原因です。

やはり、リネンスーツと言っても打ち込みの多さ(目の詰まり)を考慮すること、

それに適した裏地を選択する必要があると気づかされました。

(これを活かして打ち込みが多い、少ない、とで初夏と盛夏で使い分けるなんてのもシャレてますね。)

そして、背抜きにするならサマーウール、フレスコのような、通気性の良いウールにするべきで、

リネン生地は、パット、裏地も芯地もなく通気性の良い、リラックスシルエットの「アンコンストラクテッド(アンコン)」が良いと思います。

リネンスーツは不思議と裏地が付くことで暑さがウールより増しているように感じます。

なぜなら、裏地のないパンツはとても涼しいからです。

 

そして、リネンスーツと言えば「シワ」ですね。

椅子に長時間座ってパソコンに向かっていると

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この通り、豪快にシワになります。

私は、素材感が出て、軽やかな涼しい印象が季節感を演出してくれて好きですが、第一印象が大事な場面では避けるかもしれません。

シワは打ち込みが多く、重めな方がこまかなシワにならずいいなと思います。

 

私のこの夏の思惑は、リネンスーツにコットンリネンシャツ、下着に「SEEK」という完全盛夏対策セットを思い描いておりました。

これ以上ない盛夏の実用スーツになるはずだと・・・。(リネンより盛夏向けの素材はシルクシャンタンがありますが、光沢がありすぎるので実用的ではない。)

ですが、今年は見事勉強の年になりました^^

次回オーダーするならば、同じ素材でアンコンで仕上げます。

今回は涼しさを重視した選択になっていますが、TPOに応じた作りをご提案致しますのでお気軽にご相談下さいませ。

長くなりましたので、次回細かなディティールをご紹介致します。

 

 

 

 

 

梅雨のスーツメンテナンス

Dandyism JAPANオーダースーツコンシェルジュ黒田雄一です。

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梅雨に入り、湿気と暑さで少し歩いただけでも汗が吹き出てきます。

そこで、この時期のスーツのお手入れ方法をお伝えします。

この時期は前述の通り、雨でスーツが濡れる&汗で汚れる。と

スーツにとってはとてもハードな時期です。

少しでも緩和し、綺麗に長く着用できるように勤めたいもの。

それは、多少の知識と準備で出来ます。

まず、大事なのは、乾燥させることです。

帰宅後、軽くタオルで叩くように表面の水分を除きます。

このとき擦ると、摩擦で生地が毛羽立ち痛みますので注意してください。

そして、肩の部分が広くなったハンガーに掛けます。

出来れば木製のものが水分を吸湿するので良いのですが、そうでない場合は

ハンガーにタオルを掛けてその上にジャケットを羽織らせてください。

パンツは裾が一番濡れますので、パンツハンガーに、裾を下にして掛けます。

干す場所は通気性のないクローゼットは避けましょう。

日当たりの良い場所も変色しますので厳禁です。

風通しの良い場所に陰干しが鉄則です。

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(この商品に関する詳細はこちら)

このようなグッズで、この時期のみクローゼットの外にハンガースペースを作るのもお勧めです。

そして、完全に乾かすことが型崩れを防ぐ一番の方法ですので、

2日以上干しましょう。

一気にドライヤーで乾かすことも可能ですが、その場合はドライヤー後に

アイロンでスチームを外側、内側に当て、その後ハンガーにつるしたままアイロンをあてると綺麗になります。

ズブ濡れになってしまったり、嫌な匂いがアイロンスチームでも取れなくなってしまった場合は、

プロに任せることが最良です。

ドライクリーニングに出す方が多いようですが、汗汚れ、タバコのヤニなどは取れずに、生地が硬くなってしまいます。

ですので、水洗いで綺麗な仕上がりにしてくれるところに出す必要があります。

お勧めクリーニング店はこちらです↓

http://www.naturalclean.co.jp/service_takuhai.php

やはり、いつまでも綺麗にスーツを保ち着用するには、手間とコストが掛かります。

ですが、こういう季節が来たとメンテナンスを楽しめれば、スーツに愛着がわいて自分のスーツになっていくと思います。