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「自分目線のファッション」か「相手目線のファッション」か?

あなたは90年代のバブル期のファッションって覚えていますか?
バブル期と言えば、

・肩パッドが入った、いかついスーツだったり・・・
・ツータックが入ったスラックスだったり・・・
・アルマーニのダブルスーツだったりと・・・

そんなアイテムを思い浮かべた方も多いのではないでしょうか?

 

もしかしたらバブル期のファッションって何?なんて方もいるのではないかと思います。

その頃のファッションのキーワードを一言で表現すれば

いわば『ゴージャス』

今ではもはやゴージャス自体が古い言葉ですね・・・(苦笑)

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そんな風にスタイリストとしてお客様の服をセレクトしたり
お店のアイテムやオーダーメイド等々・・・日々ファッションに接している者としては、

 

ファッションというものは日々変化するもの』ということを実感しています。

あなたはお気づきでしょうか?

特に顕著になってきたのは2000年以降からなのですが、
カジュアルファッションにおいてはデザインがシンプルな方向にシフトし、

無駄な装飾や奇抜なデザインのアイテムは少なくなってきているんです。

 

そのため、お客様自身がアイテム自体の違いが分からず、
カジュアルにおいてはセレクトしにくい傾向になっています。

 

 

例えば・・・

 

同じでブルーデニム(ジーンズ)で比較したとしても・・・

1本3万円代の『JACOB COHEN(ヤコブ・コーエン)』のデニム
『ユニクロ』の3千円のデニム

どこがどう違うのか?と言われると
ぱっと見では判断つかないと思います。

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↑ユニクロ

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JACOB COHEN(ヤコブ・コーエン) 出典:item.rakuten.co.jp

 

どうでしょうか?

パッと見では分からないですよね?

 

私もシルエットだけでは正直分かりません・・・。

ディテールを見て「アッ!」と思うのが本当のところです(苦笑)

だから、お客様の心理としてはどうせ買うのなら同じアイテムでも価格が安いファストファッションへ流れているといっても過言ではありません。

 

今日は「自分目線のファッション」か「相手目線のファッション」か?
というテーマでカジュアルファッションにおける近年の傾向をお伝えしたいと思います。では早速始めていきましょう!

 

1、ストレッチ素材の出現

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スキニーパンツやテーパードパンツなどフィット感を出すスタイルが
昨今では定番になりましたね。

その理由としては、2000年代に東レなどの繊維メーカーが売り出した『ストレッチ素材』がブームの引き金となっています。
ストレッチ素材というのは、伸縮性があり身体にフィットするような生地のこと。

今でこそ認知されていますが、それ以前は身体のラインやシルエットを表現するような、

生地というものはありませんでした。

 

この頃から、少しずつスキニーデニムや自分の身体のラインを強調するスタイルが

雑誌CMでも打ち出され、徐々に定番になってきましたね。

 

『服は一番外側にある皮膚である』という感覚があるか?

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おそらくこちら初めて聞く言葉かと思います。これはどういう事かと言うと・・・

普段からあなたのファッションを自分の身体の一部のように取り扱っているか?

ということです。

 

なぜこんなことをお伝えするのか?

それは簡単に言ってしまえば、食べ物だったり、住むところにはトコトン

こだわりを持っているのに対し、こと衣服(ファッション)に関しては
あまりにも無頓着な男性が多いから。

 

「服なんて・・・別に」という認識で接していると痛い目に合う事に
なりますよ。

もう一度ご自身のファッションを見直してもらえればと思います。

 

もしこのような感覚を持っているならば、
・あなたが風呂でシャワーで浴びることと同じように、服もしっかりクリーニングやメンテナンスに出すでしょうし・・・
・あなたが一日動き回ってぐったり疲れたら休むことと同じように

一日着用した服も、しっかりハンガーにかけて数日休ませるでしょうし・・・

・あなたがケガや傷を負った時に、クリニックで診察してもらうことと同じようにあなたの服がほつれたり穴が空いてしまったら、しっかりメンテナンスしてもらうでしょう。

 

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つまり・・・
ファッションは服を選ぶことはもちろんなのですが、
自分の身体の一部のように取り扱うことが出来ているかどうかなんです。

普段からいろんなお店に出向き、リサーチや様々なアイテムを見ていると、
いろんな方のファッションが目についてしまいます。

時には、流行のアイテムでまとめたコーディネートだったり。

時には、ファストファッションでまとめたコーディネートだったり。

また時には、ブランドもので固めたコーディネートだったりと。

本当に様々です。

確かにファッションは個性の一部であり、個人の自由に任されている

部分が大きい分、何を着ようが自由なことは確か。

 

ただし・・・もし、この視点しか持たないでいると、非常に残念な結果になる可能性が高いんです。
と言うのは、

 

自分好みで選んだファッションが、必ずしも相手にとって心地よいファッションかどうか?というのは全く別問題だからです。
だからいつもこの意識を持つことが大切になってきます。
それは、『自分目線のファッションか?』それとも『相手目線のファッションか?』

 

この視点があるかないかで全く変わってきます。
自分の服をセレクトする際だけではなくコーディネートする際も変わってくるので、是非覚えておいてくださいね。

 

スタイリスト 柏木