こんにちは
Dandyism JAPANです。
さて、今日は、スーツの基本となる表生地についてご紹介します。
この表生地には産地によって違いがあることをご存知ですか?
スーツの生地は主にイタリア生地とイギリス生地、さらに国産生地の大きく3つに分けることができます。その中でも、イタリア製とイギリス製の生地がスーツ生地の大半を占めるので、その二つの違いが分かると、スーツ選びの際の大きなヒントになります。
ではイタリア製とイギリス製の2つの生地の違いはどこにあるのでしょうか?
今日は生地の違いと特徴のポイントをご紹介しましょう。
まずイタリア製の生地は、パッと見た印象はツヤがあって手さわりがよく、薄くて柔らかいのが特徴です。
出典:tailorfields.com
反対にイギリス製の生地は、光沢感はさほどなく、ハリとコシがしっかりした生地が特徴となっています。
出典:www.global-style.jp
写真の2つを見比べると一目瞭然なのですが、同じ値段のスーツなら、断然イタリア製のスーツの方が光沢感があって高そうに見えます。
しかし、日常のスーツを普段着用する仕事着と考えた場合、選択する基準としてまず考慮したいのは、耐久性が高いかどうかです。
というのは、ビジネス場面においては、通勤や車のシートなどでパンツが擦れたり、ジャケットの着脱、立ったり座ったりする動作などで生地自体が擦れしまり傷めてしまう場面が多々あるからです。
もちろんイタリア製の生地が耐久性に欠けるという訳ではありません。しかしイギリス製に比較すると、耐久性は劣ってしまうという欠点があります。その点イギリス製の生地の方が
イタリア製の生地よりも長持ちしつつ型崩れしにくいのです。
それはなぜなのか?
実は・・・生地を織る糸に秘密があるんです。
少し専門的な話になりますが、織糸には『単糸』と『双糸』があります。
単糸とは、撚(よ)りが一回かかっている糸のこと。また双糸とは単糸をさらに撚った糸のことです。撚りが強い分丈夫な糸になります。『撚り』とは糸をねじり合わせること。です。
なぜ糸に撚りをかけるのでしょうか?
それは、繭からほぐし出した糸はとても細くそのままでは糸として使えないからです。
そのため何本かを束にしなくてはならないのですが、そのままではバラバラになって扱いにくい。そのため生糸の束に撚りをかけると、丈夫な1本の糸として使えるようになります。
出典:spinnuts.kyoto.jp
「経・緯双糸」とは、経糸にも緯糸にも双糸を使用した生地という意味です。
耐久性とハリがありますが、光沢感には欠けます。またお仕立てした印象もカチッとしています。
そう、これが理由になります。
イギリス製の生地は「経・緯双糸」で織られているからこそ、光沢感には欠けますが、耐久性とハリがあるのです。
一方イタリア製の生地の大半は、単糸と双糸の交互に織る交織だからこそ、光沢感や生地の柔らかさを生み出すことができます。
これが延いては見た目と風合がソフトな感覚を生み出しています。またここに耐久性の差が出るのです。
いかがでしょうか?
産地の違いによって生地の風合いが、まったく異なるものになり、それは糸の織り方の違いから生み出されたものであるということをお分かりになったでしょうか。
イギリス製か?イタリア製か?
スーツをセレクトする際の一つのポイントにしてみてくださいね!
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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