オプション紹介

胸ポケット、腰ポケットの形状は以外に多く、

スーツ、ジャケパンスタイルの雰囲気を大きく変えることができます。

例えば、ダブルジャケットの腰ポケットをパッチポケットにして軽快感を出したり、

フォーマルなジャケットであれば、フラップなしの両玉タイプポケットをと、

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ハズシに使ったり、クラシックな拘りをテイストしてみたり。

ポケットと言えど、選ぶ楽しみがあるのです。

今回ご紹介したいのは、胸ポケットの「バルカポケット」と腰ポケットの「チェンジポケット」です。

まず「バルカポケット」とは舟型をした胸ポケットのことで、

ナポリ服の特徴的ディティールでバルカ=舟底のように、

なだらかなカーブから端はキュッと釣り上がるような形をしているポケットのことです。

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これと似た形で「舟型」という胸ポケットも存在するのですが、

これは、通常のハコ形ポケットが少しカーブし、端が釣りあがったような角ばったポケットのことです。

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形状が似ているので、これをバルカポケットとして販売している既製服もあります。

しかし、本物の「バルカポケット」は角を丸く仕上げてあり、前述したように独特のカーブを描きます、

この角の丸みとカーブを出すには手がかかり、そして、その雰囲気が存在感の違いになって出ています。

イタリアのスーツは全体的に丸みを帯び、柔らかで軽やかな雰囲気と着心地が特徴的で、

その雰囲気に合わせるようにバルカポケットが生まれたのではないでしょうか。

これもまた本物感を出す拘りのオプションです。

胸元にナポリの小舟をいかがでしょうか^^

スタンダード¥1.000-

プレミアム 標準仕様

長くなったので「チェンジポケット」は次回ご紹介させていただきます。

袖口仕様

オーダースーツの楽しみの一つ、オプション選択。
しかし、実際はオプションを付けてデザインしていくのは、どのようなものがあるのか、料金はいくらかなど、選択するのは難しいのではないかと思います。そこで、少しづつこのブログを通じて、ご紹介させていただこうと思っています。お付き合いのほどよろしくお願いします。

今回はジャケット袖口の人気オプションを2つほどご紹介いたします。
1、本切羽
2、重ねボタン

1、「本切羽」とは袖口ボタンを開閉できる仕様にすることです。

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通常、既成服(高級品は袖丈調整と同時に本切羽にできます)では袖丈の調整がしやすいように、穴をあけていない、ボタンホール型に刺繍したものの端にボタンが付いている仕様です。そして、なるべくほどき易くするため、簡素な縫いにしています。

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しかし、「本切羽」は開閉が出来る為、目の詰まったしっかりした作りのボタンホールになっていますので注意して見ると、拘りを感じられる部分です。

もともとの由来は手を洗う時、袖をまくりやすくする為、という説や、ナポレオンが寒い土地に出かけた時、兵士が袖口で鼻をこすり、跡になるのを見て、みっともないのでボタンを付けたという説、また「本切羽」は別名「ドクターカフ」と呼ばれます。それは、ヨーロッパではシャツは下着とされ、上着を脱ぐのは失礼となります、しかしお医者さんが手術などの時、上着の袖が邪魔になる。ということで袖が開閉できるようにした。という説もあります。
ちなみにですが、ボタンの数は出身を表すそうです。
スーツはイギリス発生なので、イングランドなら4つ、スコットランドなら3つ、ウェールズなら5つになります。

話がそれましたが、「本切羽」がなんらかの実用性から発生した仕様なことは間違いなく、ボタンを開閉できることが「本物感」となっていることも人気の一つ。
ちなみに「本切羽」を知っている方は、他の方のジャケットの袖口をこっそりチェックしていたりしますし、「本切羽」をきっかけに一話題作れたりします。

是非お試しくださいね。

次は「重ねボタン」です。
標準仕様ではボタンの端同士がぎりぎり触れる程度から2,3㎜離したものが普通ですが、これは袖ボタンを1㎜づつ重ねる仕様のことで、イタリアのテーラーが技術の高さを示す遊びとして始め、人気が出て定着しました。

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ボタンが重なることで立体感が出て、袖口のアクセントになるので、イギリスでもイタリアでも見られる認められたエレガントな仕様です。また、重なっていることがキスしているように見えるので「キッスボタン」というかわいらしい呼び名もあります。

価格はスタンダードで¥1.000-。プレミアムでは無料で選択できます。

こちらも楽しみの一つとしてお勧めです。

ここで、これらの仕様を施したお客様のスーツをご紹介。

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「本切羽」、「重ねボタン」さらに、「ボタンホール色糸変更」、「ボタン5つ」となっています。

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オーダーだから出せる、シルエットの綺麗さと、袖に遊び心を加えた自分だけのスーツ。

是非お試しくださいませ。

生地の選び方。super○○○’s表記

スーツ生地は色柄に加え

生地自体の質で選択することも重要です。

今回はその生地について勉強しましょう。

 

良い柄を見つけても、繊細過ぎたり、織が甘すぎたりすると

摩擦により穴があいたり、毛玉がすぐできてしまいます。

基本の選択基準になってくるものは「Super○○‘s」、「糸番手」、「打ち込み数」=「重量」です。

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「Super○○‘s」

毛一本の太さを表します。

「糸番手」

糸の太さを言い、どちらも数字が大きいほど細く繊細になります。

「Super○○‘s」で言いますと、最近ではSuper100‘s~120‘sが

耐久性と上質感を兼ね備えた実用的なスーツ生地の範囲となります。

 

Super150‘s以上に至っては高級生地となり、頻繁に着用するスーツ場合には不向きです

通勤などの摺れですぐに痛んでしまい、高級なうえに価格も上がります。

ただし、Super150‘sなどの表記があったとしても100%の割合でSuper150‘sの糸が使われているとは限りません。柄の関係や補強の為もあります。

しかし中には数%しか使われていないのにSuper150‘sと

表記されていることもありますので、気をつけなくてはいけません。

(ちなみにSuper80‘s以下の表記はありません。)

 

数字の意味は原毛(刈りとって何も手を加えていないウール)1㎏で何㎞の糸が紡げるかの数字で

Super100‘sなら、原毛1㎏で100㎞の糸が引けるという理論上の数値です。

何故理論上かと言いますと、

実際にはクリンプという縮れがウールにはあり、

直毛状態にして紡ぐと脆くなり切れてしまうからです。

実際の糸は直毛状態から縮れて50~70%短くなった状態のウールを紡いで糸にしていきます。

その糸の太さの表記が「糸番手」ということになり、

原毛1㎏で何キロの糸が引けるかの実際の数字となります。

Super○○`s表記で毛の質を見て、番手でどれくらいしっかりと糸状に紡いであるのかの確認をします。

糸番手はウールでは72番手以上が細番手と言って繊細な糸になってきます。

Super100`sで60番手の生地となれば、ゆるくふんわりとした糸を使っていることになります。

着心地は軽くてソフトですが毛玉が出来やすく解れやすい。冬は寒いと感じるかもしれません。

しかし、ここで確認したいのが「打ち込み数」です。

これがしっかりしていれば生地の痛み、保温性は改善されます。

打ち込みとは生地巾150×100㎝四方に織られている糸の本数です。

一般的には1メートルあたりのグラム数で表記されています。

適度に調整された打ち込みであれば目が詰まったしっとりとした重量感のある生地になります。

しかしこれも他の項目同様に打ち込みが多すぎると

固い生地になりごわつきになります。

Supe○○‘s表記、糸番手、打ち込み数(重量)のバランスが良い生地は

軽くて肌触りの良いソフトさを持ち同時に重量感のあるドレープを備えた上質な生地になります。

 

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生地裏に記載されている表記の仕方も、生地ブランドによって異なりますので

何よりも実際に触ってみて、ご自身が1番気持ち良い思う物が1番ですね。

【Dandyism JAPAN】では、お客様に寄り添ってスタイリストとスーツコンシェルジュがご提案いたします。

 

 

黒田